韩总统选举正式开跑 文在寅、安哲秀支持率相差无几
 |
アトラトル (atlatl) [1]は、小さな槍を投擲する、手持ちの投槍器?投矢器である[2]。通常の投擲よりも遠くへ、より強い力で飛ばすことができる。
ただ単にスピアスロアー（投槍器）と言う事もある[3]。
中央アメリカ一帯、特にアステカで狩猟や戦闘に使用されていた。
起源
[編集]アトラトルのような投槍器は氷期のほぼ全大陸で大型動物の狩猟に使用されていたが、氷河期が終結すると、獲物である大型動物の減少とそれにともなう農耕、牧畜への移行、さらにのちになって現れた弓矢や投石器によって淘汰され、多くの地域で投槍器は忘れ去られ、使われなくなった[4]。
アメリカ大陸ではユーラシア大陸のように馬をはじめとする多くの家畜がおらず、もちろんそれを有効に活用できた遊牧民も少なくとも大航海時代になってヨーロッパ人がそうした家畜を持ち込むまでは存在せず、合成弓や長弓のように威力のある弓、及びそれを効果的に活用できる戦術の発展は比較的に遅かった。また、中南米では密林や山岳の地域が多く、そうした環境では長大な射程を持つ弓矢はそこまで有効な武器ではなく、そうした射程を伸ばすための改良も不要で、そもそも弓矢自体がかなり後の時代（トルテカ文明の前後）になってようやく広まった。そのために飛び道具を強化しようとするとやじりに毒を塗る、弓矢以外にも投擲武器や吹き矢などを使用するなどといった工夫が必要になった。生贄用の捕虜を得るために戦争をすることも多くあったアステカとその近隣の国では尚更そうであった。アトラトルもそうした飛び道具の一つである[5]。
アトラトルは中央アメリカの中でも密林の多いマヤ地域には元々存在しなかった物だが、テオティワカンの勢力の拡大によってマヤ地域にも持ち込まれた。これを使用すると女子供でも何十メートルも先の標的に正確に投擲することができたという[6](実際、少ない力で投擲ができるが、正確なコントロールにはある程度の訓練が必要である)。
アステカ神話の金星の神トラウィスカルパンテクートリが太陽神（トナティウ）に向かって槍を投げた際も、また太陽神がこれを投げ返した際もこれを使用したと言う[7]。また、絵画や石像などにもその他の神々や王、戦士もこれを持った形で表現されることが度々あった[8]。
日本列島の旧石器時代に少なくとも投槍器か弓のどちらかは使われていたのは確実だと佐野勝宏は考えている[9]。
構造
[編集]投げ槍ないし投げ矢が引っかかりやすいように突起、もしくはくぼみが付いた棒状の器具であり、より力が入るように指を引っ掛ける輪がついた構造の物もあった[10]。また、投擲する槍は葦でできていて矢羽が付いており[11]、やじりには黒曜石や骨片、銅が使用されさらには毒が塗ってあったという[9]。貴族やジャガーの戦士など身分の高い者であれば貝や宝石などで象眼を施した上等のアトラトルを用いた[12]。
威力
[編集]男子やり投の世界記録は1996年5月25日にチェコのヤン?ゼレズニーが記録した98m48であるが、アメリカの地方都市などで開催されているアトラトルの競技大会では、ごく平均的な体格の成人男性が130m離れたところにある直径1mの的に、アトラトルを使ってやりを命中させることがある[13]。また、日本のTV番組「世界の果てまでイッテQ」の企画「世界の果てまでイッタっきり」(2025-08-07放送)にてお笑い芸人、つまりは素人であるみやぞんが100m先にある赤い風船を割っている。
上記の事実からもアトラトルが人力を容易に上回る飛距離≒威力を創出可能な器具である事が分かっている。ただし、的に正確に投げるにはある程度の練習は必要である。
脚注
[編集]- ^ 'atlatl'の発音を示したWAVファイル
- ^ 近藤敏 2019, p. 32.
- ^ 熊谷亮介 2019, p. 3.
- ^ 佐野勝宏 2019, p. 13.
- ^ 金子明 2015, p. 40.
- ^ 八杉佳穂 1990, p. 89.
- ^ 松村武雄 1934, p. 14.
- ^ 郷澤圭介 2018, p. 16.
- ^ a b 佐野勝宏 2019, p. 12.
- ^ 21世紀研究会 2015, p. 8.
- ^ 山田昌久 & 田中康太郎 2019, p. 26.
- ^ 小林致広 2013, p. 300.
- ^ ベンジャミン?フルフォード 2015, p. 90.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]
- 世界アトラトル協会
- 松村武雄『メキシコ?ペルー神話と伝説』趣味の教育普及会〈神話伝説大系〉、1934年、14頁。doi:10.11501/1717930。 NCID BA48487699。OCLC 673156151。国立国会図書館書誌ID:000000822979。2025-08-07閲覧。
- 八杉佳穂『マヤ興亡 : 文明の盛衰は何を語るか?』福武書店〈Fukutake books ; 22〉、1990年、89頁。hdl:10502/5663。ISBN 9784828833217。 NCID BN05153875。OCLC 910904373。国立国会図書館書誌ID:000002058632。2025-08-07閲覧。
- 小林致広「メシーカ征服活動と石彫モニュメント : 旧大司教館の石とティソックの石」『京都大學文學部研究紀要』第52号、京都大学大学院文学研究科?文学部、2013年、287-321頁、hdl:2433/173922、ISSN 04529774、NAID 120005244786、NCID AN00061079、OCLC 5185954775、国立国会図書館書誌ID:024734400、2025-08-07閲覧。
- 21世紀研究会『武器の世界地図』文藝春秋〈文春新書 ; 1034〉、2015年、8頁。ISBN 9784166610341。 NCID BB19097494。OCLC 914460069。国立国会図書館書誌ID:026572611。2025-08-07閲覧。
- ベンジャミン?フルフォード『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術＜現代編＞』イースト?プレス、2015年、90頁。ISBN 9784781612836。 NCID BB1388736X。OCLC 904990266。国立国会図書館書誌ID:026080144。2025-08-07閲覧。
- 金子明「マヤ古典期の戦争」『京都外国語大学ラテンアメリカ研究所紀要』第15巻、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所、2015年、23-50頁、ISSN 1882658X、NAID 40020841898、NCID AA1161214X、OCLC 6178755103、国立国会図書館書誌ID:027338369、2025-08-07閲覧。
- 郷澤圭介「ちからをはかる : 後古典期後期マヤの戦闘の一概念」『京都外国語大学ラテンアメリカ研究所紀要』第18巻、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所、2018年、1-23頁、ISSN 24332259、NAID 40021867355、NCID AA12863371、OCLC 8083992976、国立国会図書館書誌ID:029634100、2025-08-07閲覧。
- 熊谷亮介「第1章 着柄狩猟具の刺突実験」『実験考古学ワークショップ : 東北知のフォーラム2018』、東北大学研究推進?支援機構知の創出センター、2019年、3-38頁、doi:10.24484/sitereports.71016、NCID BB28120724、2025-08-07閲覧。
- 佐野勝宏「日本列島における投槍器?弓矢猟の出現と波及」『シンポジウム Hunting：狩猟相解明のためのアプローチ』、八ケ岳旧石器研究グループ、2019年、12-13頁、doi:10.24484/sitereports.130445、NCID BB29668514、2025-08-07閲覧。
- 山田昌久、田中康太郎「実験による弓矢と槍の機能?効力?耐久性の検証」『シンポジウム Hunting：狩猟相解明のためのアプローチ』、八ケ岳旧石器研究グループ、2019年、24-26頁、doi:10.24484/sitereports.130445、NCID BB29668514、2025-08-07閲覧。
- 近藤敏「弓矢の矢柄について」『シンポジウム Hunting：狩猟相解明のためのアプローチ』、八ケ岳旧石器研究グループ、2019年、27-32頁、doi:10.24484/sitereports.130445、NCID BB29668514、2025-08-07閲覧。
 | この項目は、武器?兵器に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆?訂正などしてくださる協力者を求めています（プロジェクト:軍事／Portal:軍事）。 |